人が歩く時、「前に進む=重心の前方移動」と認識されています。歩行ではこれで問題ありませんが、走りではこれが問題になります。人は前に倒れそうになる時、勝手に脚が前に出ますが、この「勝手」の正体を探れば問題点が見えてきます。

■勝手の正体
「どちら側の脚を前に出そうか?」体はこれを最初に判断します。体が素直なら動かし易い方の脚を選ぶと思います。この「動かし易い方」はどのような条件で決まるのでしょうか?それは「重心が乗ってない方」になります。仮に重心が両足に均等にあるとすれば、体はそれを操作して右か左かに重心を移動させます。そして、脚を前に出します。
勝手の正体は「左右の重心移動」です。
重要なのは、日常的な歩行では軸足に重心がある点です。また、重心移動の自覚もありません。


■走りへの影響
下記図では一般的な走り方(A)と、左右の重心移動を先に行った場合(B)の違いを表しています。
(A)では、日常的な歩行の習慣から重心は軸足に置いたままになり、逆側の半身は移動に取り残されます。取り残された半身は次の軸足になりますが、その仕事は着地後の重心移動が終わるまで待たされます。
(B)では、軸足逆側への重心移動を先に行うので、次の軸足側が前に出ます。この為、次の軸足の仕事が遅れる事はありません。
※着地が重心直下なら(A)の問題は”軽減”されますが、本質は重心移動です。
※脚がいくら前に出ても、左右の重心移動が完了してなければ待ち時間は消えません。

重心移動


[2015-02-23 追加]
左右の重心移動で走る」 股関節の屈曲(割)・外旋から接地する走り方に変わったので、ビデオ撮りしました。以前の走り(下記)より接地から加速までの時間が短縮されたので、離地の切れが良くなってます。

理屈:反力をブレーキにしない走り」にある滑らかな走りの本質は「左右の重心移動」と思います。





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